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水嶋ヒロ『KAGEROU』読んでみた

水嶋ヒロの『KAGEROU』を読んできました。
日付変わったあたりでTSUTAYAに買いに行ったw
話題作ですし、本好きかつ物書きの端くれとしては読まざるを得ないですよね。

ネタバレ含むので隠します。
読んだ人、あるいは読む気がない人だけクリック。
……これから1500円出して買おうって人、やめといたほうgry

結論から先に言えば、つまらなくはないが面白くもない凡作といったところ。
pixivとかに載ってるなら☆10くらい付けてもいいけど、1500円出して読む価値はないですね、正直。
ましてや2000万円の大賞を取るような作品だとは到底思えないってのが本音。

『KAGEROU』――儚く不確かなもの。
廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。
「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。
そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。
命の十字路で二人は、ある契約を交わす。
肉体と魂を分かつものとは何か? 人を人たらしめているものは何か?
深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。
そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、
かつて抱いたことのない愛することの切なさを知る。
水嶋ヒロの処女作、
哀切かつ峻烈な「命」の物語。

この紹介文を読むと、なんともシリアスな感じがします。あるいは中二病的なラノベのようにも思える。
ところが、実際に読んでみると全然雰囲気が違っていました。
ジャンルとしてはファンタジーでもSFでもなく、ドタバタコメディチックな社会派小説といった感じ。

内容を要約すると、大体こんな感じ。

自殺志願者の41歳男性であるヤスオは、ギリギリのところで謎の美青年キョウヤに止められる。
キョウヤは裏社会の臓器バンクの取引人で、自殺志願者から臓器を買うのが仕事。
最後の親孝行にと、その申し出を受けるヤスオ。
臓器の査定時に、「ヤスオは脳だけは20代」という伏線が張られる。
その後、世を欺くための偽装病死を経て、ヤスオは少女アカネと出会う。
アカネは心臓病で、ヤスオの心臓が移植されることになっていた。
自分の心臓が少女の命を救う事を知り、救われるヤスオ。
その後、ヤスオは一度「死ぬ」もののしばらく後に目を覚ます。
移植直前でアカネ以外の臓器希望者が亡くなったため、ヤスオは人工心臓のまま生かされていた。
人工心臓はハンドルを回すことで動く仕組みになっていて、ヤスオはスキを突いて外に出てアカネに会う。
アカネとのひと時を経て、ヤスオは「生きる」ことの意味を知る。
その後、新しい希望者が見つかりヤスオは再び「死ぬ」。
そしてその直後、キョウヤが脳卒中で倒れる。
キョウヤの体が目覚めたとき、その意識はヤスオのものになっていた。
ヤスオやキョウヤの体でアカネに会い、アカネの心臓の音を聞き涙を流す。

「臓器移植」+「転生」という、ストーリーだけなら割とありがちなものです。
まぁ、定番だからといって悪いという訳ではもちろんないです。例えば「四日間の奇跡」は「秘密」と似通ったストーリーだけど、全く違う趣があって良いと思うし、私はむしろ前者のほうが好きです。
問題なのは、在り来たりなストーリーを平坦な文章で無難に終わらせていることであって、その結果「読みやすい」という感想しか出てこないことだろうと思います。

後は、上記のように「命」という重いテーマを扱っている割には、全体的に軽い話になってるのも気になる。
「イギリスならジンでイギリスジン。なんちゃって」
「タバコ吸いません、すいません」
ヤスオ41歳の台詞です。いやさ、こういうおっさんいるよ多分w
でも、とてもじゃないが今にも死にたい男とは思えない。
ヤスオの言動だけじゃなく、作品全体にこの軽い雰囲気があるのですよね。
だからこそ、「命」の価値を語る終盤の展開に全く心を動かされない。

こういう軽い感じで物語を構築するんだったら、主人公を20代前半くらいにしたほうが良かったんじゃないだろうかと思う。
メインターゲットは若い女性なわけだし、そのほうが感情移入もしやすいように思える。
水嶋ヒロそっくりの美青年とかいう設定にすればもっと良いかもしれないw
そんでアカネとの恋愛面をもう少し強調すれば、女性ウケは良かったのではないだろうか。
スイーツ小説だとか言われるだろうけど、現状が「主人公がオッサンのスイーツ小説」なのでそれよりはマシかと……

重いテーマを扱っている割には、心を動かされるものが全くないんですよね。
文章は凡庸だけど丁寧だし、決して下手じゃない。むしろ俺妹なんかよりは上手いかもしれないw
ただ、俺妹には「面白さ」という強みがあるけれど、KAGEROUにあるのは「読みやすさ」くらいというのも事実。

冒頭と重なりますが、pixivとか個人ブログでこういう作品を読まされたらファンになるかもしれないし、ひょっとしたら尊敬するかもしれない。
ただ、1500円のハードカバーにする作品だとは、ましてや2000万円の大賞を獲る作品だとは到底思えない。
あれだけ騒がれて期待していた分その失望も大きかった、といったところです。

でもぶっちゃけちゃうと、1500円で買ったけどヤフオクで1400円で売れたから実害はなかったり^q^
水嶋ヒロすげー。他の人の本ならこうはいかないw
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テーマ : 物書きのひとりごと
ジャンル : 小説・文学

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初コメです。

初めまして、Lと申します。
以後頭の片隅に少しおいていただけると幸いです。

長門有希スレまとめでも数々の長門ssを読んでいますが、ながといっく様の作品は特に気に入っています。

自分なんか足元にも及びませんorz

自分もFC2でブログをやっている身(といっても最近からですが)なのでコメントをさせていただきました。来てくれると嬉しい限りです。

これからもたまに顔出したりするので、そこらへんはよろしくです。

でわでわ。
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最近は忙しくてあまり書けていない(´・ω・`)

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